
民泊の始め方|届出から運営までの流れ
2026/6/8 1:02:32
インバウンド需要の回復に伴い、民泊ビジネスへの関心が再び高まっています。
観光庁のデータによると、民泊の宿泊日数は前年同期比で約48%増加しており、物件オーナーや投資家からも注目を集めています。(観光庁)
しかし、「民泊を始めたいけれど、どんな許可が必要なのかわからない」「届出と許可申請の違いがわからない」という声も多く聞かれます。
実は、民泊を合法的に運営するためには3つの許可形態があり、それぞれ手続きの難易度や営業条件が大きく異なります。
この記事では、これから民泊を始めようとしている物件オーナー・投資家の方に向けて、3つの許可形態の違いと選び方、そして届出から運営開始までの全体像をわかりやすく解説します。

1. 民泊新法(住宅宿泊事業法)
2018年6月に施行された法律で、自治体への届出のみで開業できる最も手軽な方法です。
住居専用地域でも営業が可能で、旅館業法ほど消防設備の基準が厳しくないため、初期費用を抑えやすい特徴があります。
個人が副業として民泊を始めるケースでは、まずこの形態を選ぶ方が多いです。
ただし、年間180日(4月1日正午〜翌年4月1日正午を1年として計算)という営業日数の上限があり、収益面では制約を受けます。
180日を超えて営業した場合、6か月以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があるため、日数管理は厳重に行いましょう。
2. 旅館業法(簡易宿所営業)
営業日数に制限がなく、年間を通じて運営できるのが最大のメリットです。
民泊新法の180日制限では収益性に不安がある方や、本格的に民泊事業を展開したい方に向いています。
一方で、非常用照明や消防設備の設置など設備要件が厳しく、初期投資コストが高くなりがちです。
また、営業可能な用途地域が限定されるため、物件の購入・賃借前に必ず用途地域を確認しておきましょう。
許可申請には保健所への書類提出と現地検査があり、書類準備から許可取得まで1〜2か月程度を見込んでおくと安心です。
3. 特区民泊(国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業)
国家戦略特区に指定された地域(東京都大田区、大阪府、北九州市など)で利用できる制度です。
消防設備の基準が緩和されており、営業日数の制限もありません。
旅館業法と比較すると設備投資を抑えつつ、通年営業が可能という魅力があります。
ただし、最低2泊3日以上の滞在要件があるため、1泊利用のゲストは受け入れられません。
対象地域が限られている点にも注意が必要です。
3つの許可形態 比較表(民泊制度ポータルサイト)

届出・許可申請から運営開始までの流れ

許可形態によって細かい手順は異なりますが、大まかな流れは共通しています。
ステップ1:自治体への事前相談
まず、物件所在地の自治体(保健所や担当窓口)に相談し、必要書類や地域独自のルールを確認します。
自治体によっては条例で営業日数をさらに制限しているケースもあるため、この確認は必須です。
ステップ2:消防法令適合通知書の取得
管轄の消防署に申請し、物件が消防法令に適合していることを確認してもらいます。
消防署による現地確認が行われ、通知書の発行までおおむね1週間程度かかります。民泊新法の届出であっても、この書類は必要です。
ステップ3:届出書類・許可申請書類の提出
必要書類を揃えて提出します。届出の場合は比較的シンプルですが、旅館業法の許可申請では添付書類が多くなります。
書類は原則日本語で記載し、法人・個人で必要書類が異なる点にも注意してください。
ステップ4:設備確認・現地検査
旅館業法の場合は保健所の職員による現地検査があります。
宿泊者1人あたり3.3㎡以上の床面積、非常用照明や避難経路の表示など、設備基準を満たしているか確認されます。
ステップ5:運営開始の準備
許可・届出完了後は、備品の準備(寝具、アメニティ、キッチン用品など)、ハウスルールの作成、予約プラットフォーム(Airbnb、Booking.comなど)への登録を行い、運営を開始します。
運営開始後に守るべき義務

民泊新法で運営する場合、偶数月(2月・4月・6月・8月・10月・12月)の15日までに、直近2か月分の宿泊実績を都道府県知事に報告する義務があります。
報告を怠ると30万円以下の罰金が科される可能性があるため、忘れずに対応しましょう。
また、どの許可形態であっても、近隣住民への配慮は運営者の重要な責任です。
騒音防止やゴミ処理のルールについて、書面または適切な方法で宿泊者に説明することが求められます。
外国人ゲストの利用が多い場合は、多言語でのハウスルール掲示や、避難経路の外国語表示なども整備しておきましょう。
近隣トラブルは行政指導や営業停止につながるリスクがあるため、運営開始前にしっかりと対策を講じておくことが大切です。
まとめ
この記事では、民泊を始めるために必要な3つの許可形態の違いと、届出から運営開始までの全体像を解説しました。
民泊の許可申請は、必要書類の準備や消防法令への対応など、慣れない方にとってはハードルが高く感じられるかもしれません。
自治体ごとに独自のルールがある場合も多いため、許可申請の専門家(行政書士)に相談するのも一つの選択肢です。
費用は手続きの種類や地域によって異なりますが、15万〜40万円程度が目安です。
専門家に依頼することで、手続きをスムーズに進められるメリットがあります。
民泊運営に必要な業者や専門家をお探しの際は、MinpakuONEもご活用ください。
最終確認日: 2026/04/01
※ 法規制の情報は変更される可能性があります。最新の情報は各自治体の窓口や関係省庁のウェブサイトでご確認ください。